2024年、ついにオリンピックイヤーを迎えました!
今回のオリンピックの開催地はパリです。
開会式が「セーヌ川」で行われたり、競技会場がフランスを代表する名所に設営されるなど、芸術と歴史を感じさせる趣向を凝らしたものになっています。
この記事ではパリオリンピックのピクトグラムを取り上げるのですが、開催地ごとにデザインされるものは下記のように様々です。
・エンブレム(シンボルマーク)
・メダルのデザイン
・マスコットキャラクター
・聖火を運ぶトーチ
などなど…
そのなかで、意外にも毎回開催地ごとにデザインされているのが「スポーツピクトグラム」です!
ピクトグラムがオリンピックごとに違うなんて考えたことがなかった…
「ピクトグラム」といえば日本で作られたデザインが世界標準になった非常口の案内に使われている緑の人が有名ですが、「スポーツピクトグラム」も1964年に行われた東京オリンピックが始まりです♪
そして、今回のパリオリンピックのピクトグラムは2023年2月に発表されました。
そのデザインを見た感想に「わかりにくい」という意見が多数見られたそうなのですが、本当なのでしょうか。
そこでこの記事でパリオリンピックのピクトグラムについて、種目の一覧と日本や海外の反応を調査してみました。
併せて日本でピクトグラムが生まれた背景などもご紹介していきます。
それでは「パリオリンピックピクトグラムわかりにくい?種目一覧と海外の反応を調査!」と題してお伝えします。
パリオリンピックピクトグラムわかりにくい?
Plus qu’un pictogramme, un blason ⚔️
— Paris 2024 (@Paris2024) February 8, 2023
Fusion du sport et de son terrain, voici votre étendard pour les Jeux de #Paris2024
Un signe d’appartenance et de ralliement pour tous ceux qui font et supportent les sports olympiques et paralympiques.
Arborez-les, portez-les haut ! pic.twitter.com/Jiedv4SrPa
太平洋戦争の終戦は1945年。
その背景を考えると、1964年の東京オリンピック開催当時は現在よりはるかに英語が通じない時代です。
また、東京オリンピックは「アジア初」そして「初のローマ字を使わない国」での開催でした。
そのため、海外から選手や観客、関係者を迎える日本は「ピクトグラム」を活用することにしたわけです。
羽田空港のトイレや搭乗口などのピクトグラムが作られたのも、1964年の東京オリンピックがきっかけで整備されたものです。
これまで手書きで思い思いに書かれた表示や注意事項がピクトグラムに統一されました。
さらに凄いことはそのデザインに携わったメンバーが全員著作権を放棄したこと。
それがなかったら現在のようにトイレのピクトグラムが世界中で使われる日は来なかったでしょう。
外出する際に迷うことなく目的地に行くことができた時、無意識のうちにピクトグラムを参考にしていることがあるかも知れませんよね。
このように2021年の東京オリンピック招致の際に脚光を浴びた「お・も・て・な・し」の精神は1964年にも存分に発揮されていたわけです。
こうして1964年の東京オリンピックで初めて「スポーツピクトグラム」が作られました。
ではオリンピックにおけるスポーツピクトグラムの元祖である日本がデザインした前回のスポーツピクトグラム、今回のパリオリンピックのピクトグラムを比較してみましょう。
パリオリンピックピクトグラム種目一覧
まず今回の開催国であるパリオリンピックのピクトグラムからご紹介します!
おぉぉぉ!!なんと斬新なデザイン!!
ピクトグラムの概念を覆すような仕上がりになっていますね。
✕を基本の型にして斜めに対称になっています。
競技をする人ではなく、競技に使用している道具やフィールドをモチーフにしていますね。
モチーフが人間じゃなくてもピクトグラムなの?
言語の制約を越えて、直感的に意味や情報伝達をする図形や記号
必ずしも人をモチーフにしなければならないというルールはないようですね。
ただ、パリオリンピックのピクトグラムは線が多いため「じっくり見入ってしまう」、一部の競技に関しては「何度見ても何の競技かがわからない」ものがあります。
直感的に意味が分かるのがピクトグラムだということに関しては、条件を満たしていないつまり「わかりにくい」と言えます。
そのため「わかりにくい」という意見が多く見られるのだと思います。
一つ一つのピクトグラムはわかりにくい反面、デザインされたピクトグラムを一覧で見ると、✕の型にはまった紋章がズラリと並んでいる感じがして、なんともオシャレですし、見とれてしまいます。
とは言ってもピクトグラムを一覧で表示する場面は、ほぼないと言っていいですよね。
観戦チケットや会場案内などに単体で使われるのが一般的です。
美しいデザインではあるものの、実用面では「わかりにくい」ということになってしまうのでしょう。
ピクトグラムに芸術性を盛り込んできた辺りがファッションの中心、芸術の都であるパリのプライドなのでしょうか。
東京オリンピックピクトグラム種目一覧
こちらは2021年の東京オリンピックで採用された「スポーツピクトグラム」です。
安城市出身のグラフィックデザイナーである廣村正彰さんの率いるチームがデザインを担当しました。
1964年の東京オリンピックで使用されたピクトグラムに敬意を払い、コンセプトは存続させつつも更に進化させたデザインです。
日本から始まったスポーツピクトグラムですから、デザインを担当した方が1964年を意識するのも分かりますよね!
東京オリンピックのピクトグラムが誰にでも一目で分かるデザインを追求した結果だということは見ていてもよくわかります。
無駄を最大限に省いた結果なのでしょうか。
2021年の東京オリンピックでは人の胴体を白抜きにしているという点が見事だなと思います。
どれも洗練されていますが、パラリンピックの種目である「シッティングバレーボール」を見てみても、ちゃんと座っていることが分かりますよね。
開会式で見せた動くピクトグラムのパフォーマンスによって、ピクトグラムの存在が強く意識されたのも記憶に新しいですよね。
改めて動画を見てみたいという方はコチラをどうぞ♪
歴代のオリンピックピクトグラム
1964年から2016年までのスポーツピクトグラムが記されたものがありました。
ピクトグラムに国の文化を絶妙に取り入れているものもあります。
シドニーはアボリジニが使っていたブーメランをモチーフにしていたり、中国では歴史的な書の書体をモチーフにしています。
改めて、毎回開催地ごとにデザインされていることに驚きです。
パリオリンピックピクトグラム海外の反応
ソウルの東大門歴史文化公園駅内にソウルオリンピックのピクトグラムとマスコット発見しました😌ミラソメちゃん連れてくればよかった…でもトワくんは飛行機乗れないから仕方ないか😢 pic.twitter.com/MkQJ1WWDpS
— Nasu🐧💫🐬 (@Cheb7dgyu) June 24, 2023
実際にパリオリンピックの「スポーツピクトグラム」が発表された際の海外の反応と日本の反応を探してみました。
パリオリンピックピクトグラム海外の反応
X(旧Twitter)で見られたコメントをGoogle翻訳したものです。
少し詳細すぎるかもしれないが、とにかく美しい
私はそれらが好きですが、テレビに簡単に表示するには少し複雑すぎるように思えます。
これらは芸術的ですが、識別するのは難しいとします…
うわー、これはひどいですね。正直なところ、デザインだけではどのスポーツかを判断することはできません。
覚えて認識するのが難しすぎる
アイコンやプログラムの重要な点は、言葉がなくてもすぐに認識できるようにすることです。これらのうち、それが何であるかを解読するのに数秒かかるものはほとんどありません。
それは、さまざまなスポーツの描かれ方に対する非常に異なった新鮮な見方です。色合いも良くなりそうですね。
思っていたよりネガティブな意見が多かったです。
一目で分かるのがピクトグラムだというポイントは世界中の共通認識のようです。
タトゥーの柄みたい、というコメントもありましたが、芸術的観点で見ると美しいと感じているんですね。
パリオリンピックピクトグラム日本の反応
パリオリンピックのピクトグラム尖ってるねえ!スマホやその他ヘルプデバイスがほぼすべての人の手元にある時代にオリンピックピクトグラムの意味を問いかけているように感じる。https://t.co/jztFLLwFcV
— オカモトレイコ/gshegs (@gshegs_9) May 18, 2023
パリオリンピックのピクトグラム難しすぎない?w pic.twitter.com/rz2dhrL44s
— さーた (@ta818_sa) February 10, 2023
パリ2024 オリンピック/パラリンピックのピクトグラム
— 真樹 (@maki_albera) February 9, 2023
紋章のデザインになっていて、何やら斬新なんだけど😳…https://t.co/0VN5p6pedr
右側画像が「器械体操」
器具を組み合わせて紋章風にしてるのね…
ぱっと見何の競技か悩むピクトグラムが結構あって、なぞなぞみたい…😅え。大丈夫か?😅 pic.twitter.com/7yhjOipCF6
おはようございます。今朝の大阪は雨🌧️5℃
— オリエンタルモダンのお店 AromDee (@AromDee_select) February 10, 2023
パリオリンピック・パラリンピックのピクトグラムが発表されましたね。ピクトグラムって「あの人」がいるものと思いこんでいましたが、紋章型もオシャレですね❗️#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う #企業公式相互フォロー#企業公式つぶやき部 pic.twitter.com/0iyLUJwOEF
パリオリンピックのピクトグラムかっこいい。
— こまねこ😸アパレルデザイナー (@komaneko_design) February 9, 2023
ピクトグラムってシンプルに表現する物と思い込んでた。
「紋章」がキーワードらしい。
パリ2024オリンピック、62スポーツのピクトグラム発表 https://t.co/lmyTcagv8w
私も斬新なデザインだな、と思ったのですがコメントにあった「尖ってるねえ!」という表現がぴったりのような気がします!
否定したくなるけど美しい、そして「こういう時があってもいいのでは?」とさえ思ってしまいそうになるのは芸術性の高さや、今までの固定概念に何か訴えるものがあるように感じるのかもしれません。
ただ、このようなピクトグラムはオリンピックというある意味一過性のものだからこそ成立しているんだと思います。
公共施設などで半永久的に使われるものには使えそうにありませんね。
まとめ
初めてオリンピックスクエアにおじゃましました。
— Maral Gansukh / がんすふ まらる (@marachika8) April 19, 2023
改めて、頑張らねば!と気が引き締まりました🔥
ずっと来てみたかったオリンピックミュージアムでは、ピクトグラムと写真を撮れて嬉しかったです🥰 pic.twitter.com/JE8t9HRl3i
以上「パリオリンピックピクトグラムわかりにくい?種目一覧と海外の反応を調査!」と題してご紹介しました。
パリオリンピックのピクトグラムはわかりにくい!という意見は確かに、しかも思っていたよりも多くありました。
ピクトグラムは一目見て何を意味しているか分かるというのが本来の目的で、利用者目線でそれを満たしていることが重要だということが再認識されましたね!
でも芸術的な視点で見るとやはり美しいですよね。
デザインという意味ではフランスならではの洗練された要素があるんだと思います。
そしてオリンピックだけで使われるピクトグラムだからこそ芸術性に重きを置いたり、遊び心を発揮できる余白というか可能性があるんでしょうね。
日常生活に視点を移してみるとトイレや車椅子、エレベーターなど無意識のうちに認識しているものがいかに多いことか。
しかも万国共通に伝えることができる。
余談ですが、トイレのマークで男女を入れ替えた場合(男性のシルエットだけど色は赤、女性のシルエットだけど色は青)人は色で認識してしまう、という実験をテレビで見たことがあります。
ピクトグラムを見た時、私たちの脳は「色は男女どちらなのか→形は男女どちらなのか→自分の性別に合っているのか→自分が入るべき場所はどちらなのか」などと段階を踏んで一つ一つ考えることはせず、視覚から入った情報に反射的に反応してしまうようにできているんですね。
ピクトグラムというのはそれぐらい大きな力を持っているデザインという訳です。
最近はWi-Fiのようにメーカーや国の垣根を越えて統一したデザインがあることで、新たに公共の場で使われるようになってきていますよね。
ピクトグラムもどんどん進化して新しいものが生まれていくんですね。
今後、オリンピックのスポーツピクトグラムで今回のような斬新なデザインをする国が続出したとしたら、その歴史はフランスから始まったということになるのだと思います。
時代を経ても不変なもの、柔軟に形を変えて行くもの、掘り下げてみると意外にもピクトグラムの奥深さを感じてしまいました。
オリンピックに限らず街で見る色々なマークをちょっと意識して見てみると興味深い発見があるかも知れませんね!
最後までお読みいただきありがとうございました。